「昔に自己破産したことあるんだけど、また借金の返済ができなくなってしまった。。。」
「自己破産ってもう一度できるの?」
このようなお悩みを抱えている方のために、二度目以降の自己破産の可否について債務整理のプロの目線で解説いたします。
二度目の自己破産は可能
まず、先に結論としてお伝えしておきたいのは、二度目の自己破産は法律上禁止されていないということです。
つまり、過去に一度自己破産をしていても、再び借金を返せない状況に陥った場合には、もう一度自己破産をすることは可能です。
しかし、初回の自己破産と比較すると、一定の制限や注意点があります。
日本の借金救済制度自己破産の免責とは?
自己破産とは、借金を返済できない状態に陥ったとき、裁判所に申し立てて、借金を法的に「ゼロ」にしてもらう制度です。
ただし、単に自己破産を申し立てただけでは借金が消えるわけではなく、「免責(めんせき)」の決定を受けることで初めて借金の支払い義務が免除されます。
破産の免責不許可事由との関係二度目の自己破産の注意点
免責が「許可されない」可能性がある
二度目の自己破産が法律上は可能であっても、裁判所が免責を認めないケースもあります。特に重要なのが、破産法第252条第1項に定められている「免責不許可事由」です。
破産法 第252条第1項10号
破産者が破産手続免責許可の確定日より過去7年以内に免責許可の決定を受けていた場合、裁判所は免責を許可しないことがある。
つまり、過去7年以内に自己破産による免責を受けていると、再度の免責は原則として認められません。
ただし、これは絶対に免責されないという意味ではありません。
7年以内の再破産でも「裁量免責」が認められる場合
自己破産の裁量免責とは?
裁判所は、たとえ免責不許可事由があっても、破産者の事情を考慮し、「今後の生活再建に必要だ」と判断すれば、裁量で免責を許可することができます。
これを裁判所の「裁量免責(さいりょうめんせき)」と呼びます。
裁量免責が認められる主な条件
- 借金の原因がやむを得ない事情(病気、失業、災害、離婚など)である
- 生活状況や経済状況に改善の意思が見られる
- 反省の態度がある
- 資産隠しなどの悪質行為がない
- 債権者集会や裁判所への対応に誠実である
特に、浪費やギャンブルによる借金の繰り返しは免責不許可のリスクが高まるため注意が必要です。
二度目の自己破産の流れ
二度目以降の自己破産の流れは、基本的に初回と同様です。
- 司法書士や弁護士への相談
- 必要書類を集める
- 裁判所へ破産申立書を提出
- 裁判所による審査・免責調査官の面談(必要に応じて)
- 債権者集会・官報公告
- 免責許可決定(または不許可)
※二度目の自己破産の場合は、特に審査が慎重に行われる傾向があります。審査は、破産申し立てに至った事情や、生活状況などを厳しく考慮したうえで裁判所が判断します。
債務整理は自己破産だけじゃない自己破産以外の選択肢も検討を
二度目の自己破産が難しい、あるいは免責される見込みが低いと考えられる場合は、以下のような他の債務整理手続も検討できます。
任意整理
- 裁判所を通さずに、債権者と話し合いで返済条件を見直す
- 元本は減らないが、将来利息のカットが可能なケースも
個人再生
- 元本の一部を大幅に減額し、原則3~5年で分割返済していく
- 自宅を残しながら債務整理できるのが大きな特徴
個人再生や任意整理は、過去に自己破産をしていた人でも手続可能であり、裁判所の判断も自己破産ほど厳しくない場合もあります。
二度目の自己破産のよくある質問
ブラックリストの扱いはどうなりますか?
二度目の自己破産でも、初回と同様に信用情報機関に登録されます。新たな借入やクレジットカードの利用はおおよそ5~10年程制限されることになります。
再破産すると戸籍や住民票に記録されたり、子供に影響が出ますか?
二度目の自己破産をしても戸籍や住民票に載ることはありません。子供の進学や、就職に影響することもありません。
過去の破産を隠して申立てできる?
過去の破産歴は裁判所に必ず把握されます。虚偽申告や隠ぺいは絶対にNGです。最悪の場合、免責が許可されないおそれもあります。
まとめ:二度目の自己破産は可能だが、準備がカギになる
- 二度目の自己破産は、法律上可能ですが、前回から7年以内かどうかが大きな分岐点になります。
- 7年以内の場合は、「裁量免責」が必要となり、事情の説明や誠実な対応が求められます。
- 免責が厳しいと判断された場合でも、任意整理や個人再生といった代替手段があります。
自己破産の相談は法律専門家へ司法書士に自己破産を相談をするメリット
自己破産の手続きは非常に専門性が高く、特に二度目となると裁判所への説明責任や書類の精度が重要です。司法書士に相談するメリットは以下のような点です。
- 現状の債務整理方針の提案をしてもらえる
- 二度目の自己破産の可否についてアドバイスをもらえる
- 裁判所提出書類のサポート
- 裁判所からの書類の送達場所の指定や連絡先の指定
- 手続き費用が弁護士よりも安い
「もうだめかもしれない」と諦める前に、まずは専門家にご相談ください。
司法書士ローワン綜合法務事務所では、年間を通して数多くの自己破産のお手伝いをさせていただいております。費用も着手金なしの、分割払いが可能です。自己破産でお悩みの方は、お気軽にご相談ください。